家族から「寝ているときにキリキリと歯ぎしりをしているよ」などと指摘されたり、自分の歯ぎしりの音で目が覚めてしまったりしたことはありませんか?
誰でも多少は歯ぎしりをするものですが、歯や体に影響が出ている場合や治療が必要です。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。
駒込駅前歯科クリニック・矯正歯科の歯ぎしり治療の流れ
歯ぎしりは歯科で治療することができます。駒込駅前歯科クリニック・矯正歯科の「歯ぎしり治療」の流れをご紹介します。
検査
お口の中を診察して、歯ぎしりの強さやかみ合わせとの関連などを調べます。
小型の筋電計で睡眠時の歯ぎしりの状態を調べるやり方もあります。
カウンセリング
検査結果をもとに、歯ぎしりや歯の状態についてお伝えします。治療が必要であれば、治療法や治療にかかる期間、費用などについてご説明します。わからないことや不安に思っていることは歯科医師や歯科衛生士に質問してください。
治療
当院では、以下のような方法を組み合わせて「歯ぎしりに対する治療」をしています。さらに「歯ぎしりによって擦り減ってしまった歯や歯周組織の治療」も行います。
●スプリント療法
お口に合ったマウスピースを製作します。就寝時にマウスピースを装着することで歯ぎしりを改善すると同時に、歯や顎へのダメージを軽減します。
●口元のマッサージ指導
口まわりをマッサージして、筋肉の緊張をほぐします。
●かみ合わせの調整・矯正治療
かみ合わせが原因となっているケースでは、咬合調整で歯ぎしりを改善できることがあります。歯並びの乱れによるかみ合わせの異常には、矯正治療が有効なこともあります。
矯正治療は、歯ぎしりの原因そのものを治す原因療法です。他の手段は対症療法ですので、歯ぎしりを治そうと考える時はこの違いは知っておくと役に立つかもしれません。
●生活指導
ストレスを軽減するためのリラックス方法などをアドバイスします。
歯ぎしりとは
歯ぎしりとは、眠っている間、あるいは起きて活動している間でも無意識のうちに歯と歯を強くこすり合わせてしまうことを言います。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりは次のような3つのタイプに大別されます。
●グラインディング
歯を左右にギリギリとすり合わせる歯ぎしりです。上下の歯のかみ合わせる面を強くこするため、歯へのダメージが大きく、かみ合わせる面が徐々にすり減ったり、ヒビや割れが生じたりすることもあります。
●クレンチング
音を立てずにグーッと強く上下の歯を噛み締める歯ぎしりをクレンチングといいます。いわゆる「食いしばり」で、睡眠中だけでなく日中も無意識のうちにクレンチングを行っていることがあります。
●タッピング
タッピングは、上下の歯をカチカチ…とかみ合わせるタイプの歯ぎしりです。寒くて震えているときのように小さな音が出るのが特徴で、グラインディングやクレンチングほどの強い力は加わりません。
歯ぎしりによる悪影響
強い歯ぎしりを続けていると、歯や歯肉はもちろんのこと、顎や顔周り、さらに全身の健康に悪影響を及ぼします。
●歯に対する不具合
歯ぎしりをすると歯に強い力が加わるため、歯がすり減ったり、ヒビや欠けが生じたりすることが少なくありません。歯がすり減ることで知覚過敏につながる場合もあります。
歯の詰めものや被せものも破損しやすくなります。
また、歯肉にも持続的に負担がかかるので、歯周病が進行してしまう場合もあります。
●顎関節症
歯ぎしりで顎の関節に過剰な力が加わると、関節にずれが生じたり、関節が変形したりするなどして、顎関節症を引き起こすことがあります。顎関節症になると顎の痛みや、口が十分に開かなくなるといった症状が現れます。
●頭痛や肩こりなど体調不良
口元の筋肉は首や肩につながっているため、歯ぎしりは頭痛や肩こりの原因になります。熟睡できず疲れる、顎の痛みで食事が十分にとれないなど、歯ぎしりが体調不良を引き起こすこともあります。
●顔の変形
歯ぎしりや食いしばりで口周りの筋肉が過剰に発達すると、顔が変形してしまうことがあります。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの明らかな原因は解明されていませんが、以下の2つが関係していると考えられています。
●ストレス
精神的な疲労が重なると、歯ぎしりが多くなる傾向があります。
●かみ合わせの不調
かみ合わせがずれていたり、詰めものや被せものが合っていなかったりすると、無意識にバランスをとろうと歯ぎしりをすることがあります。
歯ぎしりのセルフチェック
歯ぎしりは睡眠中などに無意識にやっていることがほとんどです。そのため一緒に寝ている家族から歯ぎしりを指摘されて受診するケースが少なくありません。
一人暮らしをしている人などはなかなか自覚する機会がありませんが、歯や顎に歯ぎしりのサインが出ていることもあるのでチェックしてみましょう。
歯ぎしりのセルフチェック
以下の項目で当てはまるものがあれば、ご相談ください。
●歯がすり減っている・歯にヒビや欠けがある
●歯の詰めものや被せものがよく壊れる
●舌や頬の粘膜に歯を押し付けたような痕がある
●起床時に顎が痛い・顎の周囲がこわばっている・顎が疲れている
●知覚過敏がある
●下の歯肉側の骨に盛り上がった部分がある
●口周りの筋肉が張っている
●頭痛や肩こりに悩んでいる
まとめ
強い歯ぎしりや食いしばりは、歯だけでなく体に負担をかけてしまうことがあります。歯科ではさまざまな方法で症状を改善することができるので、気軽に受診してください。
また、「睡眠中に歯ぎしりをするので親族旅行や修学旅行など泊りがけの旅行に行きたくない」などと悩んでいる方も、ぜひ相談をしてください。