かつては虫歯や歯周病になってから歯医者を受診する人が多かったですが、状態が悪くなってしまってからでは大切な歯を守れないこともあります。
そこで近年は、虫歯や歯周病にならないように事前のケアをする「予防歯科」が注目を集めています。

2022年の診療報酬改定でも、大人のフッ素塗布が健康保険の対象になるなど、予防を国も年々力を入れてきている感があります。

駒込駅前歯科クリニック・矯正歯科の予防歯科

当院は「予防歯科」に力を入れています。予防歯科では具体的にどのようなことをするのか、ご説明します。

予防歯科とは

予防歯科とは虫歯や歯周病になってからの治療ではなく、虫歯や歯周病にならないようにするケアのことです。予防歯科は、歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいて患者さん自身が行う「セルフケア」の両輪で成り立っています。

定期的なプロフェッショナルケア

予防歯科では、1カ月に一度、プロフェッショナルケアを行っています。プロフェッショナルケアとは、歯科医師や歯科衛生士が、虫歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)や歯石を除去するクリーニングのこと。歯と歯の間や歯茎の下に隠れたプラークや歯石は、普段のブラッシングだけではきれいにすることはできないため、専用の器具を使ってクリーニングをしていきます。
同時に虫歯や歯周病のチェックも行います。

セルフケアの指導

歯科医院でプロフェッショナルケアをしてきれいにしても、ブラッシングなど毎日のご自宅でのケアが不十分なままでは、お口の中はすぐに汚れてしまいます。毎日歯科医院に通えるわけではないので、ご自宅でしっかりセルフケアを続けることが一番大切です。

また、「毎日セルフケアはしています」という場合でも、やり方が間違っている方が少なくありません。当院では、患者さんの歯磨きの欠点を洗い出し、お口の状態に合った歯ブラシや歯間ブラシなど清掃用品の選び方や、正しいブラッシングの方法をご説明しています。

予防のために、セルフケアもしっかりお伝えする歯医者さんです。

予防歯科のメリット

「虫歯もないのに定期的に歯医者に通うなんて面倒臭い」と思うかもしれません。しかし予防歯科には、通院の手間を大きく上回るたくさんのメリットがあります。

虫歯や歯周病を早期発見

お口の中には毎日さまざまな食べ物が入ってくるので、ケアを頑張っていても虫歯や歯周病を完全に防ぐことは難しいもの。
しかし定期的に歯科医師がお口の中をチェックしていれば、ごく早い段階で病変に気づいて治療を始めることができます。たとえば虫歯であれば進行して痛い思いをしたり、大きく削らなければならなくなったりする前に治療ができるのです。

健康な歯を長く維持し続けられる

日本人の寿命は年々伸び続け、人生100年時代になりました。せっかく長生きをしても、歯を失えば食べられるものは限られ、食事の楽しみは半減してしまいます。
今ある歯を良い状態で使い続けられるように、予防歯科で守っていくことが大事です。

全身の病気を予防

虫歯や歯周病はお口の中だけでなく、全身の病気の発症や進行にも影響を与えています。
たとえば虫歯でしっかり噛むことができなくなると、栄養状態が悪化して転倒しやすくなったり、病気にかかりやすくなったりします。また、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすことや、歯周病が脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めることも明らかになっています。
予防歯科で歯を守ることは、全身の病気を予防することにもつながっているのです。

経済的な負担の軽減

虫歯や歯周病は進行すればするほど治るまでに時間がかかり、医療費もかかります。治療をした歯は元々の健康な歯よりは弱くなっているので、生涯にわたって治療を繰り返す可能性が高くなり、さらなる医療費がかかることになります。
予防歯科は定期検診の費用はかかりますが、年に3~4回で済みます。歯や全身の健康を維持できれば、定期検診の費用とは比べものにならないくらい将来の医療費の軽減が期待できます。

患者さんに心がけていただきたいこと

歯科医師任せでは、大切な歯を守ることはできません。患者さんにはぜひ、次のようなことを心がけていただきたいと思います。

定期的な通院

予防歯科は定期的に通院をしていただく必要がありますが、痛みなどの症状もないのに通院をするのは面倒ですよね。ただ通院は1カ月に一回程度でそれほど多くありません。虫歯や歯周病の予防だけでなく、口臭や全身疾患(糖尿病など)の予防にもなります。私たちスタッフも患者さんに「受診してよかった」と思っていただけるように、丁寧なプロフェッショナルケアをしたり、一人ひとりに合わせたアドバイスをしたり、ブラッシングのコツなどをお伝えしたりしています。
通院を楽しんでいただければと思います。

セルフケアの徹底

通院の際にはセルフケアの指導をしていますが、ご自宅で続けていただかなければ意味がありません。面倒臭いとか、さぼることが多くなったと感じた時には、早めに歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。続けるためのいろいろなアイデアをお伝えできると思います。一緒にがんばっていきましょう。

生活習慣の改善

ふだんの生活で特に気をつけていただきたいのが、「ダラダラ食べる」こと。虫歯菌は食べ物に含まれる糖分を栄養にして歯を溶かしていくので、いつもお口の中に糖分が残った状態だと、虫歯になりやすくなります。テレビを見ながらお菓子を食べたり、甘いジュースをしょっちゅう口にしたりしているという方は、気をつけてください。
また、タバコは歯周病を悪化させることがわかっています。できれば禁煙を、難しい場合は本数を減らすようにしましょう。

まとめ

生涯、健康な歯や歯肉を保つには、「予防」が大事。年齢を重ねても自分の歯で美味しいものをしっかりと味わうことができるように、予防に努めていきましょう。